アメリカの素顔に触れ、挑戦する勇気が湧く本

突然炎のごとく

Suddenly, Like a Flame

著者  小川 彩子

グローバル教育、多文化教育者。地球探訪バックパッカー。教育学博士。エッセイスト。30才での自己変革、50才過ぎての米国大学院博士課程、途上国中心の探訪記「地球千鳥足」や論文、著作による異文化共存促進活動は泣き笑い挑戦人生。「挑戦に適齢期なし」を信条とし地球探訪、講演、発表を続け、近年はOhio州シンシナティ大学の1カレッジで准教授として日本文化や多文化教育を教えてきたが近年帰国、教員免許証更新講習の講師として「異文化理解と多文化共生の教育」を受け持っている。小川地球村塾、塾長。シカゴにある新聞社、J-Angleに「地球千鳥足」を9年以上連載中。鶴竜ファン。

 地域社会の一員として、大学院生として、教師として、車の免許証取得から博士号取得まで八年有余体験した泣き笑い。苦労やチャレンジは続いたが「苦しみ」は「悦び」に転換されていった。デルタエアラインの機上でたてた滞米生活の目標―日本文化発信のためのホームパーティー継続、大学か企業で教える、英文の物語集出版、学位取得―は全て実現したが、それらの目標達成の課程で流した汗と微笑と虹色の涙の狂詩曲がここに紹介されている。定価1,680円(税込み)。


いくつになっても学びたい人へ!海外留学体験記、比較文化論、リズム感に溢れた文章と縦横無尽の人生謳歌のこの書はどんな道を目指している人にも刺激となり活用できる!


書評(抜粋)


  • グローバル・国際教育を専門とする彼女の生き方と活動は21世紀の日本人の生き方を考えるうえで示唆される点が多い。
    文章も一気に読ませる魅力に富んでいる。

    井上勝也(同志社大学文学部教授)



  • 本書は客観的事実を伝えることでアメリカの素顔を、そして著者の人生の一部を提示するという優れた手法あふれる好著である。簡潔で読み易い文の随所に若者に伝えたい重い事実、深い教養と努力の跡を感じる。

    千葉義夫(翻訳家・東京都)


  • 著者の「積極性、行動力、向上心、挑戦する気概、Open-minded Behavior、社交性、コスモポリタン性、自国文化を大切にする愛国心、平和思想」等はどれをとっても破格のものなのに、更に五十幾歳の年齢、女性、家庭持ちを加味して考え驚嘆した。これは「豊かな感性」と「文章力」が成さしめるものだろうが、大学院生と教職の両方を同時体験し、リアル・アメリカに飛び込んでいるところが大きい理由だろう。

    勝部純基(会社役員・大阪府・鳥取県立米子東高校同期生)


  • 機知溢るる内容にして真直ぐな視線、異文化ならではの苦闘、交友の妙、何より真摯な学びの姿勢・・・文体は流るるが如く意の赴くが如く丁寧に、しかるに簡潔に、叙述はかくあらなん、というべきもの。読後の清涼感近年まれなるものがあった。

    池淵博(鳥取県立米子東高校教頭・国語教師)

注文:(株)春陽堂書店 Tel: 03-3812-7072 Fax: 03-3812-7075

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<サンチャゴで会いましょう:夫婦ドッキングの旅>

我々は単独で、または夫婦一緒に旅をする。休みの関係上旅先で夫婦ドッキングを試みることもある。このドッキングの旅の事始めは銀婚式の記念行事、「カサブランカで会いましょう」だった。以前この欄に紹介したが、それは大決意の必要な企画であった。日本から別々に北周り、南周りの航空機で出発し、「それぞれが一カ国を隈なく見た後カサブランカで会おう」というわけ。互いの旅の無事と成功を祈りつつバック・パッカーをし、無事に出会えて、カサブランカで感動の「グラス・カッチン」をやったのは、結婚25周年の節目として記念すべきイヴェントだった。その時の感激が現在まで「気合を入れて自立した旅をし、変化も楽しもう」という我々の旅観に脈打ち、人生観に役立っている。
「それぞれがやりたいことのある場所に住むことやむなし」という事情から、日本とアメリカに別居という生活が多くなった。その中でも時間を見つけて東京とシンシナティを出発点し、ソルトレイク(ユタ州)、デンバー(コロラド州)、ラスベガス(アリゾナ州)など各地で出会い、そこでレンタカーを借りて国立公園中心の旅をした。日本から出たほう(主として夫)は上記の基地周辺を楽しみ、共にシンシナティの住まいに帰って行った。
結婚40週記念には地球の別の裏側、サンチャゴ(チリ)でドッキングし、ウルグアイ、パラグアイ、チリ等への旅を予定した。互いの事情から夫はアメリカから、妻の私は日本からサンチャゴへ。空港でうまく会えればすぐウルグアイへ、会えなければホテル「リベルタドール」に行ってみる、とだけ決めて。私の飛行機は悪天候で6時間の遅れ、空港に夫の姿はなかった。カラファテの氷河を歩いた1999年に一泊したホテルに向かった。到着すると、受付が電話してくれて、先に来ていた夫が部屋から下りてきた。にこやかに。15年前のあの日、カサブランカのホテルで、先についた私がにこやかに下りたように。
 タイム・トンネルをくぐったようだった。15年前の銀婚式プロジェクトでは夫婦が別に東京の家を出てモロッコのカサブランカで会ったが、会うこと自体がゴールの一つだった。だが今は違う。二人とも空港バスと地下鉄を乗り継いで迷うことなくこのセントロのホテルにやってきた。ここがカサブランカのハイアット・リージェンシーでないのは残念だが、地球の一角での待ち合わせに成功したことに違いはない。15年後に、地球の別の裏側で。  あの時と違い、ここサンチャゴのホテルは、安価ながら磨き上げられた大鏡と食堂前の噴水が美しい落ち着いたホテルだ。レセプショニスの温かい歓迎を受けたのはカサブランカと同様だった。夫が着いたとき受付の女性に5年前泊ったこのホテルのレシートを見せたら、感動して眺めのよい部屋を74ドルで提供してくれたという。「サンチャゴで会いましょう」という我々の企画に「ファシネイティング!」と言ってくれた。15年前のあの時のレセプショニストの口からは「ファンタスティック」という言葉がこぼれ出たことを思い出した。ではここで5年前に舌鼓みをうったソパ・デ・マリスコス(海鮮スープ)とフラン(超美味のプリン)で乾杯し、夫婦一緒に地球触れ合いの旅を続けることとしよう。


二人でつづる"旅行賛歌" ********** 読売新聞多摩版 2004年6月27日(日)

「デートは地球の裏側で!:夫婦で創る異文化の旅」

“See You at the Opposite Ends of the Globe!”


小川律昭さんと彩子さんの熟年夫婦が、エッセイ集「デートは地球の裏側で!夫婦で創る異文化の旅」を出版した。「お金を残して死んでもつまらない。人生は謳歌しなければ損」と、バックパッカーでの海外の旅の楽しさなどをつづり、退職後の生活の楽しみ方のヒントにもなる一冊だ。

最近は夫婦で旅をしているが、当初は別々に旅に出ることが多かった。リュックサック一つであちこちを回るバックパックの旅を始めたのは、妻の彩子さんが先。二十五年ほど前にインドを旅して以来、多い年で五か国を訪問。米国の大学院に入学して一時はペースが落ちたものの、これまでに四十四カ国を歩いている。

一方、律昭さんは接着剤メーカーの元役員で、六十歳で定年を迎えてから本格的に旅にのめりこんだ。定年時に米国の現地法人に勤務していた関係で、その後も日米を往復する生活を送りながら、各国を旅し、今では彩子さんを上回る五十六カ国を訪れている。律昭さんは昨年、自身のアメリカ生活や一人旅の思い出をまとめて出版。彩子さんも四年前、アメリカの大学院で還暦の年に博士号を取得した体験談を本にしているが、「興味の対象やものの見方が違う二人の文章を並べたら、もっとおもしろいのでは」と昨秋から共著の出版を準備。一九八六から今年一月までの旅行について、書きためてきた十六編ずつの文章を一冊にまとめた。

読みどころの一つは、表題にもした「地球の裏側」でのデート。最初は銀婚の記念だった。八六年暮れから翌年にかけて、律昭さんはオランダ経由、彩子さんはパキスタン経由で、別々に地球を半周し、モロッコのカサブランカで合流し、ホテルで乾杯をあげた。さらに、二〇〇〇年と今年一月にも、メキシコ・カンクンとチリ・サンティアゴで、それぞれ別ルートで旅して落ち合った。

律昭さんは「地球の一角でシニア夫婦が出会うって何のためだろう。いい年をして不安と期待が交錯する出会いって刺激がありすぎるように思いませんか」とつづっている。四六並版、220ページ、税込み1575円。問い合わせは春陽堂書店(電話 033-812-7072)。


(英文和文、異文化間の愛の物語「 流るる月も心して」は日本語の学生の教材としてカレッジで使用、アメリカのいくつかの書店で売られている。
問い合わせ先: ogawaa@sepia.ocn.ne.jp
(July 19, 2015 改訂)

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